ベトナム雑記帳 ベトナム社会主義共和国概観 home
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● 東アジア(中国)文化圏に属し、日本とは生活習慣、宗教観上の類似大
● 歴史を通じ、大国からの干渉を受けつつも独立を回復・維持
ベトナム国歌歌詞はクリックで)
(1) 国土・国民
    ・面 積 : 約33万ku (九州を除く日本の面積に相当)
    ・人 口 : 約8,520万人 (2007年、ハノイ;約600万人(2008年8月1日ハノイ市統合により増加)、HCMC;約550万
                    人)
    ・民 族 : キン族(越人);約90%、約60の少数民族
    ・宗 教 : 仏教;80%、カトリック;10%、カオダイ教(新興宗教) 他
    ・行政区分: 63省(2008年8月1日、ハタイ省がハノイ市に統合、5直轄市(ハノイ、ホーチミン、ハイフォン、ダナ
                         ン 、カントー)
        ・祭 日 : 新年(新暦):1月1日
                    テト(旧暦の正月):旧暦の大晦日と新年3日の計4日。
                    フン王(雄王)の日:旧暦の3月10日。
                    開放記念日:4月30日
                    メーデー:5月1日
                    建国記念日:9月2日      合計9日しか祭日はありません。
(2) 略史
・10世紀 千年を超える中国支配の後独立(中国文化圏に帰属)
          北方の中国王朝とは幾度かの干渉を撃退しつつ朝貢関係を維持
          以後南方進出 中部:チャンバ滅亡(15世紀末)
          南部:メコン・デルタ征服(18世紀末)
・16世紀  ホイアン日本人町栄える
・1858年    仏越戦争
・1883年  仏による植民地化
・1887年    フランスがインドシナ総督府を設置(仏領インドシナ連邦)
・1910年頃 東遊(ドンズー)運動
・1930年    ベトナム共産党結成
・1935年    第1回党大会がマカオで開催される。党名はインドシナ共産党。
・1940年  日本軍ハノイ進駐
・1945年  日本軍、仏印軍を武装解除。ホーチミン独立宣言(ベトナム民主共和国)
・1946年    インドシナ戦争
・1951年    第2回党大会を北部山地で開催。ベトナム労働党を名乗る。
・1954年  ジュネーブ協定により仏から独立(17度線を暫定軍事境界線とし、南北に分割)
・1960年    第3回党大会。第1次5カ年計画を策定。南部武力統一決定。
・1964年    トンキン湾事件
・1965年  米軍直接介入開始(ベトナム戦争)
・1968年    テト攻勢
・1973年  パリ協定(戦争終結)
・1975年  サイゴン陥落。ベトナム共和国政府無条件降伏
・1976年    第4回党大会。ベトナム共産党に改名。南北統一、ベトナム社会主義共和国に。
・1977年  国連に加盟
・1978年  カンボジア侵攻
・1979年  中越戦争
・1986年  ドイモイ(刷新)路線開始(第6回共産党大会)
・1988年  外国投資を受入開始
・1991年  第7回党大会。全方位外交に修正。カンボジィア和平パリ協定、中国との国交正常化。
・1992年  日本円借款再開
・1993年  IMF融資を再開
・1994年  米国対越経済政策を全面解除
・1995年  ASEAN加盟、米国と国交正常化
・1999年  中越陸上国境画定問題解決
・2000年  中越トンキン湾領海画定問題解決、米越通商協定調印 
・2001年  米越通商協定発効、ノン・ドク・マイン書記長誕生、共産党指導部のスリム化
・2002年  新内閣発足、ファン・ヴァン・カイ首相留任
・2003年  日越投資協定締結、日越外交関係樹立30周年
・2004年  日越投資協定発効
・2005年  ファン・バン・カイ首相がベトナム戦争終結後初めて米国を訪問。
・2006年  第10回党大会開催。
               新3役発足。ノン・ドク・マイン書記長留任。ファン・ヴァン・カイ首相、チャン・ドク・ルオン
               大統領辞任。グエン・タン・ズン首相(元副首相:南部出身)、グエン・ミン・チエット大統
               領(元ホーチミン市書記、南部出身)が新任。
        11月 APEC首脳・閣僚会議をハノイで開催。
・2007年  1月11日 WTOへの正式加盟。
               雄王(フンブオン)記念日を祭日に決定。旧暦3月10日。
               チェット大統領訪米。米越貿易投資枠組み協定締結。
        第12期国会で省庁再編。26省庁を22省庁に。副首相5人制に。
               国連の安全保障理事会の非常任理事国に初選出される。
               チェット大統領日本公式訪問。
・2008年  1月1日から2年間、国連・安全保障理事会の非常任理事国を務める。
        8月1日ハノイ市拡大。ハタイ省全域、ビンフック省のメリン郡、ホアビン省4村を統合。
              総面積が3,300ku、人口は約600万人となる。
              12月25日 日越経済連携協定調印
・2009年   10月1日 日越経済連携協定発効
・2010年   4月8日 ASEAN首脳会議 ハノイでベトナムが議長国で開催
              10月10日 ハノイ市建都1000年記念
・2011年  第11回党大会開催(1月12〜19日)。新書記長に国会議長のグエン・フー・チョン氏を選
              出。
              第13期第1回国会が7月21日に開会、3期目のズン内閣が決定。
(3) 内政
    ●ドイモイ路線の下、経済改革(市場経済導入等)を推進
    ● 共産党一党体制を堅持し、反体制思想抑圧
    ●重点政策課題は、汚職追放、麻薬取締、貧困撲滅、農村対策
    ●97年には新国家主席、首相、書記長が選出され世代交代を実現。2002年書記長が交代。出身バラン
           スは保つ。
        ●2006年マイン書記長のみ留任で、南部出身のズン首相、チエット大統領が新規に就任。これまでのバ
           ランスをとった首脳が初めて南部出身の比重が大きくなった。経済重視へのシフトとも考えられる。

    @ドイモイ政策(86年の第6回共産党大会より)
     ・市場経済システムの導入及び積極的対外開放政策を骨子。
     ・89年頃より成果が上がりはじめ、近年(〜97年まで)8〜9%の経済成長を維持。
      その後も6%前後の成長を維持。
     ・政治面では共産党一党体制を堅持し、思想・表現・情報等を厳しく管理。
    A第8回共産党大会(96年6月)
     ・2020年までの「工業化・近代化」達成を目標に設定。
    B新指導部の選出
     ・97年に従来どおり出身・地域バランスに基づき指導部の若返りが実現。
      「フィエウ書記長:軍・党出身(北部)、ルオン国家主席:テクノラート(中部)
       カイ首相:経済改革推進(南部)」
         ・ノン・ドク・マイン(北部)が書記長につく。ルオン国家主席、カイ首相は続投。
    C改革に伴う弊害の発生
     ・改革推進の過程で汚職・密輸・貧困格差拡大等の「消極的現象」が顕在化。
     ・97年中頃より地方役人の腐敗や生活困窮から農民暴動が散発的に発生。
    D第5回党中央委総会(98年7月)
     ・改革に伴う弊害の発生を背景に、ベトナムの伝統文化の建設と発展の提起。
    E法治主義への移行・国会活動の活発化
     ・第10期国会(任期:〜2002年、450名)選挙(97,7,20実施)で法整備推進のため専門的な人材を登
            用、初の自薦議員の当選。
     ・第3回国会(98,4,21〜5,20)にて、輸出入税法、特別消費税法、国内投資奨励法等が改正され、経済
            関連法整備を推進。
     ・第4回国会(98,10,28〜12,2)にて、ドイモイ改革実施10年の過程を経てネガティブな現象が顕在化
           (党員及び政府幹部の腐敗、経済・社会犯罪の増加、貧富の差の拡大、社会秩序の乱れ、教育現場の
           荒廃)を受け、上申告発法及び教育法を新たに採択、刑法、土地法等を改正。
        F民間企業の設立を意図する企業法の制定
     ・多くの民間企業が誕生し、経済活性化に寄与している。
        G第10回党大会開催。新指導部の選出。1年早く異例の決定。
     ・ノン・ドク・マイン書記長留任。ファン・ヴァン・カイ首相、チャン・ドク・ルオン大統領辞任。グエン・タン・
           ズン首相(元副首相:南部出身)、グエン・ミン・チエット大統領(元ホーチミン市書記、南部出身)が新
           任。

        H第12期国会で首相、大統領、国会議長の再任。省庁の再編を承認。副首相を3人から5人体制に。
        I2008年1月1日、国内・外資企業の最低賃金を引き上げ。1ヵ月当たりの最低賃金を3地域に分けて引き
          上げたもので、最も高い地域(ハノイとホーチミン)で国内企業が38%上昇の62万ドン(39ドル)、外資企
          業が15%上昇の100万ドン(63ドル)となる。

          2009年1月1日、国内・外資企業の最低賃金を引き上げ。
          2010年1月1日、国内・外資企業の最低賃金を引き上げ。第1地域で外資系企業が134万ドン、国内企業が
          98万ドンに。
(4) 外交
    ●全方位外交を展開し、主要国及び域内各国との関係を強化。
    ●対米通商協定締結やWTO加盟など国際・地域経済への統合が重要を認識。
    ●旧社会主義国や仏語国など多角的・多様な国際関係を維持。

    @外交方針
     ・冷戦終結を受け、91年パリ協定によりカンボディア問題を清算。
     ・「世界の全ての国と友人になる」方針の下、全方位外交を展開。
     ・「多角化・多様化」を掲げ、種々の国際的枠組みにも積極的に参画。
    A国際経済への統合
     ・米国:経済関係正常化に向け通商協定の調印。
     ・WTO:ベトナム貿易制度の審査等を作業中。加盟交渉を開始。
     ・APEC:98年11月クアラプンプール会合から正式加盟。
     ・AFTA:優遇関税プログラム(CEPT)に沿い関税引下げの実施。
    BASEAN
     ・95年7月にASEAN正式加盟以降、地域国家としての地歩を強化。
     ・97年8月より、対日調整国。
     ・98年12月、ハノイにてASEAN首脳会議を開催。
    C多様な国際関係の指向
     ・旧社会主義国や非同盟諸国等の伝統的友好国とも関係維持。
     ・第7回仏語圏サミットの開催(97,11,14〜16、於ハノイ)世界の仏語圏より49カ国が参加。
     ・95年、米国との関係正常化。98年9月カム副首相兼外相が訪米。2000年通商協定の締結、2001年
           発効。
          ・2004年日越投資協定の発効。米越通商協定とともに投資を呼込む方策として期待される。世界経済へ
           の合流を目的に外国資本の投資を協力に推進。第2次投資ブームの火付けに。
          ・2006年APEC首脳・閣僚会議をハノイで開催。議長国として舵取りをこなし、政界経済への仲間入りを
           立派に果たす。
          ・WTOへの正式加盟(1/11)世界で150番目の国・地域となります。
(5)共産党、政府組織
         
共産党
・第11回党大会(2011,01,12〜19)で新規選出された。
書記長:グエン・フー・チョン(北部出身)
中央委員会(175人)
政治局(14名)
書記局(8名)
各級委員会(地方・行政組織・軍・公安等)
         指導
国家主席府
国家主席(大統領):チュオン・タン・サン
                         (南部出身)
国家元首の役割を持つが、人民軍の統治
を除き実権はない。
(国会議員の中から国会が選出)
・人民軍の総帥
・憲法、法律、法令の公布、命令・決定の
  公布
・条約批准
・国会決議による戦争状態宣言
・総動員布告
国会
国会議長:グエン・シン・フン
立法機関
議員定数 498名
常任委員会 18名(議長、副議長4名を含む)
  ・年2回開催
  ・任期 5年
  ・立候補に際して祖国戦線(共産党関連
    団体)の審査がある。

・憲法・法律の制定、改正
・国家計画、予算制定
・国家主席、副主席任免
・首相の任免
・国防安全保障会議メンバーの承認
            ↓↑
政府
首相:グエン・タン・ズン(南部出身)
副首相 4名
閣僚数 27名
国会の執行機関、最高の国家行政機関

新閣僚(2011年8月3日)
  名   前 年 齢 出身省・市 前 職 名
首相 グエン・タン・ズン 61 南部カマウ 留任
副首相 ホアン・チュン・ハイ 52 北部タイビン 留任
副首相 グエン・ティエン・ニャン 58 南部チャビン 留任
副首相 グエン・スアン・フック 57 中部クアンナム 政府官房長官
副首相 ブー・バン・ニン 56 北部ナムディン 財務相
国防相 フン・クアン・タイン 62 北部ハノイ 留任(大将)
商工相 ブー・フイ・ホアン 58 北部ハイフォン 留任
農業・地方開発相 カオ・ドク・ファット 55 北部ナムディン 留任
文化・スポーツ・観光相 ホアン・トゥアン・アイン 59 中部ダナン 留任
教育・訓練相 ファム・ブー・ルオン 56 北部ハノイ 留任
法相 ハー・フン・クオン 58 北部ビンフック 留任
少数民族委員長 ザン・セオ・フー 60 北部ラオカイ 留任
公安相 チャン・ダイ・クアン 55 北部ニンビン 公安次官
外務相 ファム・ビン・ミン 52 北部ナムディン 外務次官
財務相 ブオン・ディン・フエ 54 北中部ゲアン 国家監査院長官
計画投資相 ブイ・クアン・ビン 58 北部ハノイ 計画投資次官
情報通信相 グエン・バック・ソン 58 北部ハノイ 党中央情宣副委員長
内務相 グエン・タイ・ビン 57 南部チャビン 内務次官
運輸相 ディン・ラ・タン 51 北部ナムディン ペトロベトナム会長
建設相 チン・ディン・ズン 55 北部ビンフック 建設次官
科学技術相 グエン・クアン 56 北部タイビン 科学技術次官
保健相 グエン・ティ・キム・ティエン 52 北部ハティン 保健次官
資源環境相 グエン・ミン・クアン 58 北部ハティン 農業・地方開発次官
労働・傷病軍人・社会事業相 ファム・ティ・ハイ・チュエン 59 北部バクザン 中央監査委員副主任
国家銀行総裁 グエン・バン・ビン 59 北部フート 国家銀行副総裁
政府査察部長 フイン・フォン・チャイン 56 南部ハウザン ラムドン省党書記
政府官房長官 ブー・ドゥク・ダム 48 北部ハイズオン クアンニン省党書記

党指導部(以下は2011年8月3日で新体制になっていますので変更があります)
政治局(定員15名)  
ベトナム共産党の最高指導部。党活動を指導する権
限を持つ。外交、国防、治安を中心とする問題に関
与する。
*印は書記局書記も兼任する。
(1)*グエン・フー・チョン(67)、書記長
(2)   チュオン・タン・サン(62)、大統領
(3)   グエン・タン・ズン(62)、首相
(4)   グエン・シン・フン(65)、国会議長
(5)  トー・フイ・ルア(64)、党中央組織委員会委員
      長
(6)   レ・ホン・アイン(62)、公安相
(7)   フン・クアン・タイン(62)、国防相
(8)   ファム・クアン・ギ(62)、党ハノイ市共産党委員
      会書記
(9)   レ・タイン・ハイ(61)、ホーチミン市共産党委員
      会書記
(10) グエン・スアン・フック(57)、政府官房主任
(11) トン・ティ・フォン(57)、国会副議長、女性/ター
      イ族出身
(12) ゴー・ヴァン・ズ(64)、党中央委員会監査委員
     長
(13)  チャン・ダイ・クアン(55)、公安次官
(14)  ディン・テー・フイン(58)、党中央機関紙ニャン
       ザン紙編集長
書記局(定員10名) 現在7名
党の日常活動の指導。
*印は政治局員を兼任する。
(1)*グエン・フー・チョン(67)、書記長
(2)*チュオン・タン・サン(62)、党書記局常務
(3)*ゴー・バン・ズ(64)、党中央委員会監査委員長
(4)   ゴ・スアン・リック(56)、国防省政治総局副局
      長

(5)   ハー・ティ・キエット(60)、党中央大衆動員委員
      長

(6)  チュオン・ホア・ビン(55)、最高裁判所長官
(7) グエン・ティ・キム・ガン(56)、労働・傷病軍人・
      社会福祉相
(8) 
(9)   
(10) 
●首相・副首相の職務分担を明確化
   ズン首相は、首相と5副首相の職務分担に関する決定に署名した。主な職務内容は以下の通りとなる。
   ズン首相(政府共産党幹事会事務局長):政府活動の全体的な指導と中央汚職防止指導委員会委員長を担
   当。政府官房、国防省、公安省、内務省、保健省、国家政治行政学院、ベトナム国営通信、国営ベトナムテレ
   ビ、ベトナムラジオ局の管理と指導。
   フン第1副首相(政府共産党幹事会副事務局長):開発計画、財政、物価、税関、銀行、証券などを含む総合的
   な経済分野で首相が直接指導する問題以外の担当。財務省、ベトナム国家銀行、労働・傷病軍人・社会福祉
   省、民族評議会、ホーチミン廟管理委員会、ベトナム社会保険機構、ベトナム開発銀行、社会政策銀行、国家
   資本投資経営総公社の管理と指導。
   キエム副首相兼外相:外交と対外政治・経済、国境問題などを担当。
   チョン副首相:中央汚職防止指導委員会副委員長。汚職防止、査察、司法改革、告発に関する職務の担当。
   中央汚職防止指導委員会、司法省、政府査察部と関連の政府機関の管理と指導。
   ハイ副首相:工業、農業、水産、商業・サービス、建設、交通、資源環境を含む経済各部門で首相が直接指導
   を行う問題以外を担当。商工省、建設省、交通運輸省、農業地方開発省、資源環境省の管理と指導。
   ニャン副首相兼教育訓練相:教育、職業訓練、科学技術、情報通信、文化・スポーツ、観光などの部門を担当。
   教育訓練省、情報メディア省、文化スポーツ観光省、科学技術院、社会科学院の管理と指導。08/27
(6)安全保障
   ●国土防衛と地域の平和・安定を安全保障政策の基軸。
   ●近隣諸国(特に中国)との間で領有権問題が存在。
   ●軍備は軍縮傾向にあるが、経済力に比し量的に依然大(質的には旧式化)
   ●日本との防衛交流が着実に進展。

   @ベトナム人民軍概要
     ・兵力:常備軍約50万
     ・軍事費:約6.4億US$(96年推定;GDPの約3%)
     ・兵役制度(徴兵制):18歳から27歳までの男子、2年間。
   A領有権問題
     ・海上国境・領有権問題
      南沙諸島(対中国、台湾、フィリピン、マレイシア、ブルネイ)
      西沙諸島(対中国、台湾)
      トンキン湾国境画定問題(対中国、2000年合意)
     ・陸上国境画定問題
       北部陸上国境(対中国、1999年合意)
       南西部国境(対カンボディア、二国間協議開催)
   B地域的信頼醸成措置への取り組み
(7)経済概況
   ●主要産業は農水産業、米・原油の輸出。2020年工業国入りを目指す。
   ●98年はインフレ圧力が高まり、経済成長はスローダウン。プラス成長は維持。1999年を底に回復に向かい、2001
         年より成長率7%台を維持。2005年は石油関連価格の高騰、鳥インフルエンザの発生等にもかかわらず8.4%を達
         成、1997年以来の8%台成長率を遂げ、中国に次ぐ高度成長を持続している。
   ●外国投資は、86年の「ドイモイ」政策採択以降社会手技体制を維持したまま市場経済化を目指して改革路線を
         歩み、90年代に直接投資が流入、「ベトナムブーム」となる。しかし、社会経済システムの改革は進まず。ビジネ
         ス環境の整備も遅れ、97年のアジア通貨危機と相俟って、「ベトナムブーム」は終焉し、97年以降直接投資は激
         減。
   ●しかし、その後市場経済化が一応着実に進展し、輸出も増加し、越僑資金の流入、またODA資金の流入もあり、
         成長率が回復に向かう。また、2000年6月に外国投資法が改定されるなど、外資誘致への環境整備が進み、再
          び2003年から直接投資が回復傾向。2005年は第2次ベトナムブームの予兆。
   ●貿易赤字は拡大傾向にあり、更なる投資環境の改善等による外資導入を図る必要がある。また、部品産業、素
         材産業等の誘致が必要と考えられる。
   ●外貨準備高も少ないとはいえ、順調に伸びており、ひところの外貨繰りに不安を抱えようなことは現在はない。
   ●2008年期中で石油製品の高騰を原因とするインフレを抑えることを第一義として、経済成長目標の8.5〜9.0%を
         7%に下方修正し、2009年末から2010年初めをめどとしてインフレを1桁台に抑えることを目指している。

   @主要産業:農水産業
     ・食料生産:3,955万トン:2005年
     ・商品作物:コーヒー、ゴム、砂糖きび、茶、胡椒 等
     ・海水産物 :えび、イカ、バサ魚等
   A貿易:輸出;265.03億US$ 輸入319.54億US$:2004年
          324.42億US$       369.78億US$:2005年
          398.26億US$       448.91億US$:2006年
          485.61億US$    626.82億US$:2007年
                    626.85億US$    807.14億US$:2008年
                    570.96億US$       699.49億US$:2009年
     
主要品目の輸出入実績(2007年)
輸出 輸入
品目 輸出額 構成比 伸び率 品目 輸出額 構成比 伸び率
原油 8,487.6 17.5 2.7 機械・予備部品 11,122.7 17.7 67.8
縫製品 7,749.7 16.0 32.8 燃料・石油製品 7,710.4 12.3 29.2
履物 3,994.3 8.2 11.2 鉄鋼・インゴット 5,111.9 8.2 74.1
水産物 3,763.4 7.7 12.1 織布・生地 3,957.0 6.3 32.6
木製品 2,404.1 5.0 24.4 電子部品・PC 2,958.4 4.7 44.5
電子部品・PC 2,154.4 4.4 26.1 プラスチック 2,506.9 4.0 34.4
コーヒー 1,911.5 3.9 57.0 縫製履物付属品 2,152.2 3.4 10.3
コメ 1,490.0 3.1 16.8 一般金属 1,884.7 3.0 40.7
ゴム 1,392.8 2.9 8.3 化学薬品 1,466.2 2.3 18.6
石炭 999.8 2.1 9.3 自動車・部品 1,302.1 2.1 71.6
その他 14,213.8 29.3 - その他 22,509.7 35.9 -
合計 48,561.4 100.0 21.9 合計 62,682.2 100.0 39.6
         出典:JETRO  単位:百万ドル、%

主要品目の輸出入実績(2008年)
輸出 輸入
品目 輸出額 構成比 伸び率 品目 輸出額 構成比 伸び率
原油 1,0356.8 16.5 22.0 機械・予備部品 13,993.8 17.3 25.8
縫製品 9,120.4 14.5 17.7 燃料・石油製品 10,966.1 13.6 42.2
履物 4,767.8 7.6 19.4 鉄鋼・インゴット 6,720.6 8.3 31.5
水産物 4510.1 7.2 19.8 織布・生地 4,457.8 5.5 12.7
コメ 2894.4 4.6 94.3 電子部品・PC 3,714.3 4.6 25.4
木製品 2829.4 4.5 17.7 プラスチック 2,945.1 3.6 17.5
電子製品・PC 2,638.4 4.2 22.5 縫製履物付属品 2,355.1 2.9 9.4
コーヒー 2,111.2 3.4 10.4 化学薬品 1,775.5 2.2 21.1
ゴム 1,603.6 2.6 15.1 化学製品 1,604.3 2.0 24.8
石炭 1,388.0 2.2 38.8 木製品 1,098.1 1.4 8.1
その他 20465.0 32.6 - その他 31,083.1 38.5 -
合計 62.685.1 100.0 29.1 合計 80,713.8 100.0 39.6
         出典:JETRO  単位:百万ドル、%

主要品目の輸出入実績(2009年)
輸出 輸入
品目 輸出額 構成比 伸び率 品目 輸出額 構成比 伸び率
縫製品 9,066 16.9 -0.6 機械・予備部品 12,673 18.1 -9.4
原油 6,195 10.9 -40.2 石油製品 6,255 8.9 -43.0
水産物 4,251 7.4 -5.7 鉄・鉄屑 5,361 7.7 -20.2
電子製品・部品 2,763 4.8 4.7 織布・生地 4,226 6.0 -5.2
履物 4,067 7.1 -14.7 自動車部品 1,802 2.6 -6.0
宝石・貴金属 2,732 4.8 244.5 化学製品 1,580 2.3 -1.5
コメ 2,664 4.7 -7.9 肥料 1,415 2.0 -3.9
木材・木製品 2,598 4.6 -8.2 自動車 1,269 1.8 22.0
コーヒー 1,731 3.0 -18.0 医薬品 1,097 1.8 27.0
石炭 1,317 2.3 -5.1 二輪車部品 621 0.9 -0.6
その他 19,712 34.5 - その他 33,650 48.1 -
合計 57,096 100.0 -8.9 合計 69.949 100.0 -13.3
                   出典:JETRO  単位:百万ドル、%

          ・国別輸出額:2009年
              @米国113.56億$、構成比:19.9%、伸び率:-4.3A日本62.92億$、11.0%、-26.3%B中国49.09億$、8.6%、8.2%
       Cオーストラリア22.77億$、4.0%、-46.1%Dシンガポール20.76億$、3.6%、-22.0%E韓国20.65億$、3.6%、15.8%
       Fドイツ8.85億$、3.3%、-9.1%G英国13.29億$、2.3%、-15.9%、Hタイ12.66億$、2.2%、-6.2%
          ・国別輸入額:2009年
              @中国164.41億$、構成比:23.5%、伸び率:5.0%A日本74.68億$、10.7%、-9.4%B韓国69.76億$、10.0%、-1.3%
       C台湾62.53億$、8.9%、-25.2%Dタイ45.14億$、6.5%、-8.0%Eシンガポール42.48億$、6.1%、-54.8%
              F米国30.09億$、4.3%、14.2%Gドイツ15.82億$、2.3%、7.2%Hロシア14.15、2.0%、45.9%
     ・日越貿易 :日→越 74.68億$:一般機械;23.7%、電子機器;19.2%
                             (2009年)                       
                          越→日 62.91億$:電子機器;23.1%、食料品;12.9%、鉱物性燃料;11.6%
   B主な経済指標
       
 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
GDP成長率 8.2% 5.8% 4.8% 6.9% 7.1% 7.3% 7.8% 8.4% 8.2%
1人当たりGGDP 359.7$  374.5$ 401.5$ 413.1$ 440.0$ 488.8$ 555.5$ 637.5$ 722.7$
消費者物価上昇率 9.2% 0.1% -0.6%  0.8% 4.0% 3.0% 9.5% 8.4% 6.6%
貿易収支(国際収支ベ−ス) ▲9.9億$ 9.7億$ 3.8億$ 4.8億$ ▲10.5億$ ▲25.8億$ ▲22.6億$ ▲43.14億$ ▲50.65億$
外貨準備高 20.0億$ 33.2億$ 34.1億$ 36.7億$ 41.2億$ 62.2億$ 70.4億$ 90.506億$ 133.841億$
工業生産成長率 12.1% 10.3% 10.1% 10.4% 9.4%  16.5% 16.0% 10.7% 10.4%
輸出伸長率 1.9% 23.1% 25.5% 3.8% 11.1% 20.6% 31.4% 22.5% 22.1%
農林水産業成長率  3.6% 5.2% 4.0% 2.7% 4.1% 4.2% 4.4% 3.4%
 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
GDP成長率 8.5% 6.2% 5.3%
1人当たりGGDP 818.1$ 1042$ 1062$
消費者物価上昇率 12.6% 23.0% 6.9%
貿易収支(国際収支ベ−ス) ▲141.2億$ ▲180.3億$ ▲128.5億$
外貨準備高 234.79億$ 238.90億$ 164.47億$
工業生産成長率 10.6% 6.11% 5.52%
輸出伸長率 21.9% 29.1% 8.9%
農林水産業成長率 3.4% 4.1% 1.83%
(8)アジア経済危機以降のベトナム経済
   ●ベトナム経済の現状:国内構造問題を抱え、高成長の維持に陰り。
   ●アジア経済危機 :ベトナム経済への間接的な影響が時間差的に発生(通貨・為替、貿易、対越直接投
         資、密輸問題)
   ●政府の対応 :段階的ドン切り下げ(97/10;11,200ドン/US$→99/8;13,958 25% 現在15,322程度で緩や
         かな切下げ進行中
   ●今後の課題 :経済の実力蓄積(産業育成と金融改革)

   @ベトナム経済の現状
     ・インフレ圧力が高まり、成長はダウン:98年
     ・99年になりデフレ傾向の高まり
     ・構造的な問題=成長減速の要因
       物価上昇から国民の購買力低下(内需伸び悩み)→99年は一転してデフレ傾向(構造的不況)
     ・国営企業の経営難、企業の資金不足(金融システムの脆弱)
     ・国際収支問題(貿易赤字構造、外国投資減少、ODA消化力の不足)
     ・国内資金の滞留(タンス預金 等 → 99年になり国債の発行;割当、郵便貯蓄制度の開始により対流
            に努力の跡あり)
   Aアジア経済危機の影響
     ・通貨・為替:緩やかなドン安政策(外貨割当等の制度上の縛り、ドンとドルの需給バランス操作)
     ・貿易:輸出市場の縮小、価格競争の低下により輸出伸び率は鈍化。量の増加も金額の落ち込みで
            食われている状況。
     ・対越直接投資:ASEAN諸国の輸出産業は競争力を回復。
       →ベトナムの輸出型産業の競争力が相対的に低下傾向。
       →輸出型企業がベトナム投資を敬遠する方向か?
     ・密輸、詐欺の横行(政府としても大摘発で対処するも後を断たず)
   B政府の対応
     ・ドン切下げ:97/10;5%→98/2;5.3%→98/8;7%→99/2;中心相場制を廃止し、前日銀行レートの0.1%
           までの容認、2002年0.2%まで容認
      ドン切下げの悪影響=外貨債務の返済負担増、対外的信用の負担増、国民のドンに対する信認
           低下、ドン預金のインセンティブ低下、ドル化の再拡大、インフレの再燃 等。
     ・課題は経済の実力を蓄積することが必要。
       銀行・金融システムの確立:国民の信認獲得
       国営企業改革(効率化):株式化→国内資金の流動化・有効活用策
       国内産業の育成
     ・ドン切り下げ:09/11;5.44%→10/2;3.25%→10/8;2.092%→11/2;9.3%、0.1%と2日連続で。
(9)最近の対ベトナム直接投資動向
      ●最近のトレンド:投資ブーム(95年〜96年前半)の収束、97、98、99年はマイナス成長。2005年〜第2次ブー
         ム
   ●対ベトナム投資の質的変化

   ●投資認可累計(1988年〜2007年まで):8,684件、785.635億ドル
     ・@韓国 A英国(バージン諸島、ケーマン諸島、等を含む)Bシンガポール C台湾D日本 E香港
     ・@重工業 A軽工業 Bホテル、観光 C建設業 D運輸・通信業 E農林業

      ●日本企業の投資件数と投資額('88年〜2006年累計):746件、73.462億ドル
      ●日本企業の進出状況
      企業数:555社  ソニー、松下、富士通、三洋、トヨタ、ホンダ、花王、ワコール、キャノン 等
            ベトナム日本商工会(ハノイ):244社(2006年9月現在)
            ホーチミン日本商工会         :331社(2006年6月現在)
      ●投資に関する問題点
      @裾野産業の未発達による素材・部品の現地調達の困難。
      A煩雑な行政手続
      Bインフラの未整備と割高なインフラコスト。
      C度重なる制度変更、一貫性に欠ける政策。統治国家と人治国家が混在している。
(10)日本の対ベトナム政府開発援助(ODA):単位;億円
年度 有償協力 無償協力 技術協力
1998 880.00 81.86 46.34
1999 1,012.81 46.41 60.74
2000 709.04 80.67 74.32
2001 743.14 83.71 101.59
2002 793.30 52.37 67.08
2003 793.30 52.27 67.00
 2004    820.00     49.14        57.11
 2005 908.20 44.65 56.61
 2006 950.78 30.97 52.75
 2007 978.53 21.19 51.98
年度 有償協力 無償協力 技術協力
2008 832.01 26.63 59.65
*無料 アクセス解析
*太陽光発電