タイ


地球一周第一国目・タイランドに夕方エアインディアで到着。空港を出たとたんに東南アジア独特のモワッとした湿り気のある暑い空気に空港内へ押し返されそうになる。アジアに来たぜ!そんな感じだ。バンコク市内にあるカオサンロードと言う安宿街を目指す。 世界各国の多くの旅行者の旅のスタート地点はタイ・バンコクだと言う。 ここで、安いチケットをゲットして、それから世界中に飛んで行く。 カオサンロードは、そういう旅行代理店や、旅に必要な物が揃う貧乏旅行者の出発地点だ。 空港からカオサンまでは、エアポートバスで100バーツ(300円)所要時間は約一時間。この時自分は、安いなと感じたが、実際タイの物価を考えるとかなり高い物だと言う事は、この時は、分からなかった。 ちなみに、100バーツあれば、バンコク〜カンボジア(シュムリアップ)まで行く事が出来る。
バスの中で、隣に座った日本人の女性が今、スリランカから帰ってきた所だと言う。 彼女の話によれば、滞在中に空港テロがあり、滑走路が爆破されたと言う事だ。 恐すぎる。絶対スリランカなんて行くもんか!  カオサンに着き、その女性とは、別れた。 彼女は、寺裏と呼ばれるエリアに宿を取るそうだ。 自分もくっ付いていってしまえば良かったんだろうけど、旅の始めはカオサンロードと決めていたんだ。 
安宿の看板が、沢山立っているが、何処にすれば良いんだろう? グリーンハウスと言う所が安くて良い様なことがガイドブックに書かれていた為、そこを探すがなかなか見つからない。 結局一時間近く迷ってしまった。 入って見ると、活気の無い宿だ。一階なんて寂れていて、机や椅子が放置され放題。部屋は、やはりオンボロ。 でもアジアの安宿ってこんな物なのかもしれない・・・と納得してしまった。 NZとは、違うんだ。 シャワー、トイレ共同で、トイレの中にシャワーがある。 トイレの広さが1mx1mと言うもので、当然空間の真ん中に便座が置いてあるから、シャワーをリラックスして浴びるなんて事は出来ない。 しかも水シャワーで温水は出ない。 いくらタイが暑いからといって水シャワーは、さすがに冷たく最初は、気合が必要。 この時期よくスコールが降ったんだけど、壁の上部(壁と天井を繋ぐ角)に隙間が広範囲に渡り出来ていて、そこから滝のように水が部屋の中に入ってくる。 その滝のような水は、壁を伝い、部屋の下部まで流れて行き、床と壁の隙間に流れてまた外に出る。ワイルドすぎる部屋に圧倒されるが、アジアってこんなもんだと自分に言い聞かせる。 考え様によっては、部屋に滝が有るなんてかなりのリッチなホテル以外では、このボロ部屋でしか味わえない物だ。

次の日、カオサンを探索していると、トゥクトゥクドライバーに声を掛けられた。 こいつは、絶対胡散臭いと思っていたが市内を20バーツで観光してくれるという。 何度もB20でOKか?と確認したが、OKだと言う。 彼の名前は、シャイ。最初に連れて行ってくれたのは何とかって言う寺。 仏像を見ていると、この寺を改装していると言うエンジニアに声を掛けられた。改装前の仏像の写真を見せてもらうが、今よりかなりシャープだ。この仏像は、三回程移動して今この場所に収められたと言う。 その後、エンジニアに宝石のエクスポを勧められた。 TAXフリーだそうだ。彼は、この後この寺のボスとヨーロッパを回り、エクスポで買った宝石を売るとの事。彼曰く大もうけだそうだ。 この男も胡散臭い。 その後、シャイに例のエクスポに連れて行かれた。 でも、これから貧乏旅行をする人間に宝石なんて買える筈も無くしかも店員は、みんなスーツを着込み場違いかんが漂っている。5分位店内を見回し店を後にした。 その後、シャイがボートをチャーターして運河を周ったらどうだと提案してくれた。 でもB600かかるそうだ。ちょっと高すぎる。 迷ったが、彼の熱意に負けた。「運河巡りは、君にとって絶対良い経験になる」 と何度も言われては、しょうがない。自分は、この旅を薄っぺらな物にはしたくなかったので奴の言葉は、自分にとっての殺し文句となった。 船着場に着くとマネージャーらしき男が出てきて、B800だと言う。 話が全然違う!「ちょっとまけてよ!」と頼む。 始めは渋っていたが、B500(1500円)迄負けてくれた。 やった!!この旅で初めて値切った。 ちょっとカッコいい。なんか本当のバックパッカーって感じ。 気分を良くしてボートに乗り込む。操舵手の他に、一人おばちゃんが乗り込んでいる。 このおばちゃんもB500払ったんだろうか??
まー細かい事はさておき、結構いい感じだ。 街中を通る運河だから、釣りをしている子供や、涼んでいる老人、タイ人の生活の一部が見られた様な気がした。 それから船は、水上マーケットへ。 そこには、何艘もの、物売りのボートがいて、こちらに近付いてくる。 せっかくだから、と思い何か買いたいのだが、めぼしい物が見つからない。 フルーツとか、傘とか、文房具とか必要無い物しか無い。 しょうがなく買ったのが、カンコーラと象の付いた手帳。 最初B200と言ってきたが、B120まで値切る事ができた。 この象の手帳は、旅日記帳にする事にした。 いい思い出を沢山書けると良いんだけど・・・。



グリーンハウス

運河からの景色

運河からの景色

運河からの景色

運河からの景色



次の日から、NZの時の友達のケンジに聞いていた宿・スクンビットど通りにあるSuk11という宿に移動した。トゥクトゥクドライバーにスクンビットにB20(60円)で行きたいと言うと、地図を広げられて、こんなに遠いんだアピールをされた。実際結構な距離だったのでバスで行く事にした。 トゥクトゥクドライバーから2か60番のバスを使えと言われて、60番のバスに乗り込む。 しばらくして車掌が金を集めに来たのでスクンビットは、このバスで良いのかと聞くと、「これでは、行かない、2番のバスに乗り換えろ」と言われた。当然、ここまで乗った料金は、払わなければいけないと思いきや、いらないそうだ。 結構親切。 2番のバスに乗り換え車掌にスクンビットSoi11で下ろしてくれるように頼んでおいたんだが、いくら走っても声を掛けてくれない。 心配になり近くにいた人に片っ端から聞いてみた。「Soi11に行きたいんだけど・・・」でも市バスでは、英語は、通じないようで、誰も答えてくれない。 そこにインド系の兄さんが近付いてきてSoi11は、もうすぐだと教えてくれた。 でも結局車掌も降りるときにちゃんと教えてくれた。 
Suk11は、グリーンハウスと違い、清潔そのもの。ドミトリー(相部屋)でB150とグリーンよりB50高いけど、綺麗な部屋とエアコン、ホットシャワーに綺麗な便座!+B50で天と地程の差だ。 設備に加えて、オーナーがまたいい人。 滞在中色々な事を教えてもらった。 

今日は、オーナーから教えてもらったバザールに出かけた。 ウィークエンドマーケットと言う奴で、週末には、かなり込み合う。広さも半端ではなく、東京ドーム数個分?だ。そこに所狭しと店が並んでいる。中は、冷房なんて無いから熱気が充満し食堂もあるのでかなりアジアっぽい臭だ。 ここには、スカイトレインと言う、モノレールで来たのだが、このスカイトレインの料金はバスに比べるとかなり割高で庶民の足と言うわけには行かない。当然リッチな人間が乗るから駅には、物乞いも多い。 バザールに向かう途中、昨日スカイトレインのNANA駅近くで見た、地べたに這いつくばり手足が変な方向に曲がって立つ事が出来ない様な子供の物乞いがなんとここにいる! NANA駅からここまでは、かなりの距離だ。 夜通し這って来たのか? いや違う。 なんか悲しい現実と対面せられた。 多分、親が人の沢山いそうな所に、朝つれて来て、一日その場所に置いていくのだろう。 そしてそこで物乞いをし、夜になると親が迎えに来る。 この日は、週末でバザールが混むから、今日はここにつれて来られたんだ。 酷い話だと思う。 日本人からすると、そういう子供は親が保護してやるべきなのに、この国の下層では、これが現実。 きっと、この子がこの家の稼ぎ頭なのだろう・・・。
一度、宿に戻りそれからタイ伝統の格闘技・ムエタイに行った。 場内は、結構狭く薄暗い。 対戦が始まると、大人達がなにやら大声を張り上げている。 賭けが行われているんだ。 ルールは、よく判らないけど・・・。 戦う前に先ずダンスの様な物をタイの伝統(?)の音楽にあわせて踊り、それから試合が始まる。 なんか死の舞を踊っているように感じた。 もしかしたら昔は、どちらかが死ぬまで戦ったのだろうか・・・?会場は、そんな雰囲気をかもし出していた。


9・11


2001年9月11日が何の日か誰でも知っていると思うしあってはならない事件がこの日アメリカで起こった。 同時多発テロだ。
カオサンに宿を移した自分は、レストランのPCでe-メールのチェックをしていた。 NZの同士エツコからのメールを読むと、びっくり! アメリカのツインタワーがテロの標的になったとの事。 ふと右側の大画面TVを見ると、さっきまでは気付かなかったが、まさにその映像が繰り返し放送されていた。 レストランにいる白人達も無言で見入る。 時々ため息が「アーッ」ともれる。 えらい事が起こった。自分もしばらくその映像に釘付けになった。 日本人である自分もショックなのに、ここにいるアメリカ人のショックは、そうとうなものだろう。 いつも賑やかなレストランが静寂に変わってTVだけが鳴り響いている事からもうかがえる。 
それからの数日間は、情報収集に使った。 まず、アメリカの空港が閉鎖状態になり、インドーパキスタン国境が閉まった。 アジア横断を考えていた自分は、いったいどうすればいいのだろう? もちろんアメリカの中東への報復もあるだろうし、ネパールートルコ間の横断を考えていたが、インドーパキスタンに加え中東もどうなるか分からない。 アジア横断は、今の自分の旅スキルでは、諦めるほか無いのだろうか・・・。 NZで買ってきた世界地図を広げる。 自分の目標は、地球一周だが、アジアを全てカットしてしまえば地球一周と言うことににるのだろうか?? すると、インドの右斜め下のスリランカに注目が行った。タイースリランカーエジプトと行けば、何とか海側アジア横断(?)と言うことで許されないだろうか?地図をそれ以上見ても、他にいい手は浮かばなかった。 よし!スリランカに行こう!・・・・まてよ、スリランカってこの前空港テロがあって滑走路爆破された国じゃないか! 二国目にしてかなりやばい国を選択しなければならない。 でも、これ以外の方法は浮かんでこなかった。 旅行代理店に行くと、今現在スリランカに行く旅行者は、激減。理由は、危険と言う事と、滑走路爆破の為に空港使用料が世界一高くなり、なんと日本円にして1万2千円!! これでは、誰も行かない。 自分も相当考えた。外務省から出ている各国の危険度は、レベル1〜5までありスリランカ北部は、レベル5のMax!東部と南部がレベル4!その他は、レベル2〜3である。 こんな所行きたくないよ!でもこれは、人生最後の長期旅行だから、後悔無い様にやらなければいけない。清水の舞台から飛び降りる思いでチケットゲット!!スリランカ行きを決めた。 
そうそう、タイに着いた翌日に トゥクトゥクで色々周って、最後に船で運河を周ったけど、あれは、詐欺だったと分かった。 手口としては、こんな感じ。
先ず、寺に連れて行き、 エンジニア(詐欺師)がいかにエキスポで、宝石が安く買え他の国で売れば高額の利益を得られるかと言う事を叩き込ませる。 その上、そのエンジニアは、寺のトップとヨーロッパを旅するほど信頼されている(自分が信用置ける人間と思い込ませる)。そう思わせ今だけしかやっていない宝石のエキスポで宝石をボッタくられると言うてはずだ。 カオサンにある日本食レストランの情報ノートに書き込まれていた。 しかもエキスポは、今だけじゃなくいつでもやっている。 自分は、宝石店では、かもられなかったが、運河では、どうやら・・と言うかもちろんカモられたようだ。 どう考えてもB500は、おかしい。 シャイを信じてたのに・・・。