ディープ・スリランカ



やっちまったー! いったいこれは・・・?
スリランカ行きの飛行機に乗り込むと、周りは全てスリランカ人(もしかしたらインド人もいるのかもしれないけど自分には、その違いは分からない)。外国人は、自分だけ。 やっぱ行くんじゃなかった。 この状況を見ても分かる通り、今現在スリランカには、外国人旅行者は、行かないんだ。肌の色がみんな黒く慣れないせいか異様な感じがし自分だけ部外者の様な気がして落ち着かない。夜中にスリランカに到着。 空港で一泊しようと思っていたが、かなり混んでいるし、ちょっと危険も感じたのでタクシーでコロンボ市内まで行く事にした。 スリランカ一の大都市コロンボ近郊に来ても辺りは真っ暗。街灯も付いていない。 タクシードライバーの話では、今は乾季で、電力が不足しているため強制的に毎日決まった時間に停電になるらしい。水力発電の割合が多いみたいだ。その他にもドライバーには、色々と教えてもらった。 この国では、睡眠薬強盗がはやっている。酷い時は、致死量の睡眠薬を入れられるから、人からもらった物は絶対に食うな! ホテルは、運ちゃんに任せた。とにかく安い所と言う事だけは言っておいたので、安くてしかも結構良いホテルを紹介してくれた。 窓からは、海が見えるオーシャンビューホテルだ。 でも夜なので波の音しか聞こえないしこのホテルから海を見る事は無かった。 なぜなら、AM5:45の電車でアヌラーダプラに向かわなければならない。 スリランカには2週間しか滞在でき無いチケットを買ったんだ。 シャワーを浴び一睡もせずに駅に向かう。電車は、すでに駅に到着しているがチケットの購入に手間取った。 自分の後ろに並んでいる人はかなり迷惑だったろうけど、スリランカ入りしたばかりで通貨が良く判っていなかったんだ。でもなんとか電車に駆け込んでセーフ。スリランカ人は、シャイなのかな?オイラの隣には座ろうとしない。 でもアヌラーダプラに到着すると、ちゃんと声を掛けて教えてくれた。 宿は、ガイドブックにあった金額の倍。 客がいないからしょうがないのかな・・・しょうがなく払った。 スリランカには、文化三角地帯と呼ばれる仏教寺院や仏教遺跡が集まる地域があり、アヌラーダプラは、その中の一つ。 ここと、キャンディーとボロンナルワを結んだ三角形が文化三角地帯だ。 まずは、腹ごしらえをしようとチャリンコを宿で借り、ブラブラとチャリをこいでいると後ろから声がかかる。「どこいくんだ?」 彼の名は、モハメド。 「寺には行くのか?」 と聞かれ「後で行く」と答えるとチケットを安く売ってるところを知っているから付いて来いと言われ、なんか着いて行ってしまった。チャリで、細い道をグニャグニャ走り周り、あれ?ここさっき来たような・・・? 色々な道を通りオイラを迷子にさせる気なのか?と言う不安が湧いてきた。 そして、突然チャリンコを降り、「ここがオレの家だ。 自転車のカギを直す間家でくつろいでいてくれ」と言う。 やられた。こいつタクシードライバーが言っていた睡眠薬強盗だ!リビングに通されるとこれでも飲んでいてくれと水が出てきた。 来た来た!この中には睡眠薬が入っているんだ。間違いない!だから、家の場所を分かりづらくする為にあんな分かりづらい道を通ってきたんだ。 これを飲んだらダメだ。「今、のど渇いてないんだ。」と断ったが、スリランカの暑さのせいで汗ダラダラ流れている。 かなり無理のある断り方だったけどしょうがない。 飲んだら負けだ。 オイラが水を飲まないと分かると、「じゃー出かけようか?」と言われ奴の家を後にした。 とりあえず第一トラップクリアー! その後は、色々な寺に連れて行ってもらった。 最初の方は、心ここに在らずと言う感じで、いつ宿に戻ると言おうかチャンスをうかがっていた。 でも奴は、寺を熱心に案内してくれる。 次第に、オイラも心を開いていった。 もしかしたらこいつは良い奴なんじゃないのかな? 寺には、必ず、ムーンストーンとガードマンの像があり、ガードマンは、つねに自分達が悪い行いをしないか見張っていると言う。 また、仏陀の像にも色々あり立っているもの、あぐらをかいているもの、寝ている物、それぞれに意味があるそうだ。 モハメドは、キャンディーで、仏教学を学んだそうだ。奴に遭ってから1〜2時間経った頃奴は「重要な事だから良く聞いてくれ」と切り出した。「バスで旅をするなら、文化三角地帯を3日で回るのは、無理だ。6日はかかってしまう。車をチャーターすれば3日で周る事が出来る。 絶対にそうすべきだ。考えておいてくれ。」 でも自分には、考える余地はない。 貧乏旅行者なので、バスで周るし、周れなければ、どこかをとばすのみ。 
二人で歩いていると、突然、蛇使いに声を掛けられた。そして2mものニシキヘビをオイラの首にまいてきた。スゲー! マハメドは、「オマエ平気なんだな。」 と言うが、自分は、爬虫類なんてへっちゃらだ。 コブラまで見せてもらった。 が200ルピー払えと言う。 別にこっちが頼んだわけではないので「200は、無理だ。」 と言い100ルピー(約100円)掴ませてやった。 
ここで、やっと休憩。 朝から何も食べていなかったからクタクタだ。 奴がヤシの実を持ってきてくれた。 グレープフルーツっぽい味がして美味しい。 喉もそうとう渇いていたので一気に飲み干した。 睡眠薬入っていなくて良かった。すっかり忘れて飲み干していた。 夕方一緒に酒でも飲もうと言う事になり、ここで一旦お開き。 宿付近まで送ってもらったが、奴は、決して宿には、近付こうとは、しなかった。 
夕方になり、待ち合わせの場所に行って見ると既に奴は、来ていた。 しかも、オヤジ同伴だ。 何故か、奴と奴の父親と自分の三人で飲む事になってしまった。 ちょっとめんどくさいな・・・。 湖の畔で魚のフライを買い、バーに行った。 そこのバーでアラック(ヤシの実から造るスリランカの酒。テキーラの味に似ている)を買い、バーの屋上に行く。 星空の下で三人で飲み始めた。 彼らは、つい最近も日本人女性と3日間飲み明かしたそうだ。どの位時間が経っただろうか?酔いもかなり回ってきた。 また彼が提案する。「昼間、タクシーで遺跡群を周れと言ったが、姉貴が今妊娠中で車が借りられる。 2〜3日一緒に文化三角地帯を周らないか?」 この申し出は、キツかった。彼の好意を無駄にしたくは無い。 でも今日始めてあった人間と2人で車で周るのは、正直恐い部分もある。 しかも最初奴を睡眠薬強盗と思っていたわけだし・・・。とりあえずその場は、よく考えてみるよと言っておいた。 それから、3人で湖に行き、甘苦い匂いのするタバコを回して吸った。 少しすると、もう一人若い奴が加わり4人で回した。 星空の下で夜の湖を見ながら一服。昔からの友達といるみたいだ。 またモハメドに一緒に旅をしようと迫られた。今度は、もう断らなかった。 こいつと一緒に旅をしたら、きっと楽しいだろう。 明日の朝9:30に待ち合わせをし、宿付近まで送ってもらった。やはり、奴は、宿までは来ようとしない。

宿に戻ると、従業員3人と白人女性の4人で酒を飲んでいた。 自分も仲間に入る事にした。この白人女性は、オランダ人で、スリランカのハンデキャップをしょった子供達に読み書きを教えていると言う。「ボランティアだからお金は、一銭ももらえない。 お金が無くなったら国に帰るわ。」と言う。すごい人だ。こんな遠い国に来て自分の有り金を全てハンデキャップをしょった子供達の為に使うなんて。 自分とは、対照的だと思った。 自分は、自分の稼いだ金を自分の為に使っているのだから。 そう言えば、昼間モハメドが「 この町には、すごいオランダ人女性がいて障害を持った子供達に読み書きを教えている。 この女性とは、友達でいつも色んな事を話し合う」と言っていた。すごい偶然だった。まさに、この娘じゃないか。その女性に言ってみた。「昼間、モハメドから、君の事を聞いたよ。」  オランダ娘:「モハメッドって誰?」  おかしいな??モハメドの事知らないみたいだ。 
部屋に戻り、シャワーを浴びてベッドに倒れこんだ。 疲れたし、酔っ払っているし・・・・・・・目が覚めた。
現在am3:00 まだ、2時間しか寝ていないが、偶然起きてしまった。 電気は、つかない。パワーカット(強制的な停電)だ。 真っ暗の中、昼間あったことを色々考えてみた。 本当にこのままモハメドと行って良いものだろうか? この事がどうにも引っかかっている。 いつの間にか、2人でスリランカを周る事になっていた。 この手の強盗と言うのは、緻密な作を練りさも自然な様に事を運ぶ。 まさに今の自分が陥っている状況じゃないか。

プラン1: 最初にモハメドの家に行った時、睡眠薬で眠らせ持ち金をいただく。 その後オイラをジャングルに捨てに行く。

プラン2車で遠出して睡眠薬混入。オイラの持ち物を、全て(バックパックごと)いただく。 


こう考えると、昼間の彼の行動が全て怪しい様に思えてくる。 昼間、タクシーで三角地帯を周れと念押ししておいて、夜突然車が使える様になったからと行って来た点もそうだ。 タクシーで、周らなければ無理とあおっておいて姉の車が使えると言い出す。 姉の車を使うのであれば、当然2人で旅をせざるを得ない。また、貰ったヤシの実ジュースに睡眠薬が入っていなかったのは、もう既にこの時は、プラン1を諦め、プラン2に変更していたんだ。 だから薬を今、混入する必要は、無い。 それよりも、もっとオイラを安心させる方に手を尽くしたと言う事だと思う。何故なら、最初、彼の家で水を飲まなかった時点で、彼は、オイラが警戒していると分かっているからだ。
そして、この計画が実行されれば、自分は、二度と目覚めないだろう。 モハメドの家には、合計2回行っているんだ。 だから、当然奴は、自分の家の場所は、覚えられたと考えている。(自分は方向音痴だから覚えていないのだが・・・。) オイラに目覚められては、捕まる事が分かっているので、致死量の睡眠薬を入れてくるだろう・・・。 また、オイラが泊まっている宿に近付かないというのもおかしい。 宿の門まで来ればいいのに絶対に来ようとはしなかった。 従業員にオイラと一緒のところを見られては、オイラの死体が発見された時に足が付くと考えたのだと思う。
モハメッドが強盗だと言う決定打は、オランダ人女性が彼の事を知らなかった事。 モハメドは、彼女といつも話しをしていると言っていた。 なのに彼女は、モハメドを知らない。 これがどういう事かと言うと、モハメドが、偽名を使っていたと言う事だ。 プラン2に偽名は、役に立たない。どうせ殺すのだから。 でも、奴に自己紹介されたのは、プラン1の前だ。 この偽名は、プラン1に有効だったはずだ。  大体おかしいじゃないか!仏教徒なのにモハメドと言うイスラム教の名前だ。 彼は、7:3で良い奴なのかもしれない。でも残りの30%を無視する訳には行かないんだ。 空港からのタクシードライバーにも、強盗の恐さを教えられていたし、彼が強盗だった場合オイラは間違いなく殺される。 二人で車で旅していれば、そんなチャンスいくらだってあるんだ。殺される恐れがあるのに、70%良い奴だからとは、言っていられない。緊急事態だ。 しかも今ならまだ間に合う。 決めた!バックレる。 朝5時にパワーカットが終わり、突然電気がついた。 ナイスタイミング! 急いでバックパックに荷物を詰めた。 でも、6時になっても従業員が起きてこない。イライラしてきた。 時間との勝負なのに・・・。 am7:10やっと従業員が起きてきた。
「チェックアウトする!」 請求はなんと、R(ルピー)800! 「R500だといったじゃないか!」 するとR300は、レンタサイクル代だと言う。 ふざけるな!あんなスクラップ同然のチャリに・・・。 でもここで言い争ってる場合じゃない。 R800払って、トゥクトゥクを手配してもらう。でそのトゥクトゥクがR100。 ふざけるな!でも仕方なく払いバスステーションへ。 本当は、ポロンナルワには、行きたくなかった。 モハメドもオイラが次にポロンナルワに行く事を知っているからだ。完全にオイラの痕跡を消したかった。だから、ダンブッラに行こうと思っていた。 でもポロンナルワ行きのバスが出るところだったので乗ってしまった。
バスがゆっっくり街中を走る。 町は、朝早いというのに人があふれかえっていたからバスが思うように進めない。 その時、ふと窓の外を見る。 モハメドの父親だ。オヤジが一番飲んでたにもかかわらず朝の散歩かよ。 目が合って「ヘーーーーイ!」と怒鳴られた。 追いかけようと思えば、簡単に追いつける速さだったんだけど、追いかけては来なかった。 びっくりしたけど、見つかってよかったと思う。 もしモハメドが良い奴だった場合、待ちぼうけをさせたら可愛そうだ。 オヤジが伝えるだろう。「彼は行ってしまった」と。 

アヌラーダプラ後書きモハメドは、良い奴か、悪い奴か?スリランカ滞在中は、ずっとそんな事考えてたけど、滞在が長くなるにつれスリランカで親しげに話しかけてくる奴は、結局金目当てと思うようになっていった。その事から考えると、多分モハメドも金目当てだったんじゃないかと思う。 最後湖で4人でタバコをふかした所でモハメドが「一緒に旅をしよう」とまた聞いた時、「いやだ」と答えていたらその場で、強盗されていたんじゃないかな・・・? その為に、もう一人ガタイの良い兄ちゃんを呼んだんだと今思った。こう考えるとかなりギリギリのラインだった気がする。結果的に最善の選択をしていたわけだ。旅が終わり、4年たった今、こんな事を考えついたわけだが、昔の事なのに体の奥が締め付けられるような恐さがよみがえって来た。 


ムーンストーン

ガードマン

仏陀が悟りを開いた木の分け木

蛇使い

右にいるのがモハメド



ポロンナルワ


町に着くと、トゥクトゥクに宿を紹介してもらった。 ベッドに横たわり、何もする気が起きない。 モハメドを裏切ってしまった。自己嫌悪だ。 シーギリアの壁画には、行く気が起きなかった。 文化三角地帯のメインなのに・・・。



キャンディー


今日も落ち込んでいる。 何故あんな事が出来たんだ・・・。
宿を探して歩いていると、オヤジが寄って来て「安くて良い宿を紹介してやる」と言うので付いて行ってみた。そこでセバナゲストハウスを紹介された。 ここには、ピーター高岡先生と言う日本人が泊まっていると言う。久しぶりの日本人だし気持が落ち込んでいるので彼に会うのが楽しみだ。 でもその前に、スリランカ伝統のダンスである、キャンディーダンスを見に行った。 でもよりにもよってパワーカット(強制的な停電)の最中で、真っ暗な中、キャンドルの灯りのみでダンスが行われた。 舞台の上に何十ものキャンドルが並べられキャンドルの灯りにより影がユラユラと揺れる。逆に幻想的でよかったと思う。 帰りに、キャンディーのメインである、仏歯寺に行った。 ここは、以前爆弾テロがあったため、警戒厳重で、二度のボディーチェックの後やっと入る事が出来た。 厳重なチェックを超えメインの仏歯だが、残念な事に遠すぎて見る事が出来なかった。 スリランカでは、警官がみんな肩からマシンガンをぶら下げている。それが普通の事なんだろうけど、日本からやって来た自分には、異様な事で、あらためて日本の安全さを肌で感じた。ゲストハウスに戻り、自称アーティストのアメリカ人とピーター先生と三人で食事。 先生には、明日、女性ばかりのクラスの講師をして欲しいと頼まれたが、もー明日には、ここを出たかったので断ってしまった。 久しぶりに、美味しい食事と楽しい会話が弾んだ。 アメリカンは、NZに行った事があり、ギズボーンでサーフィンをしていたと言う。 



キャンディーダンス

キャンディーダンス

キャンディーダンス

仏歯寺



ヌアラエリア


キャンディーからヌアラエリアまでは、鉄道で向かう事にする。 この路線は、山岳鉄道で、眺めが良い事で有名らしい。 キャンディーの駅に着くともう電車はホームに着いていた。 どの車両も満員の様だ。なので、電車の車内には、入らず、外から空いている席を探す事にした。電車の前方に向かい歩いていると車内から4人の悪ぶった若者から声がかかる。 
若者「日本人か?
オイラ「そうだ
若者「英語は出来るか?
オイラ「少しだけ
若者「じゃーダメだ。」 
なんのこっちゃ? いったい何が言いたいんだ?? 電車の一番前まで探したが、すいている席はなかった。仕方なくもと来た方にもどり今度は、後方迄行こうと思い、また奴らの前を通り過ぎた時、
若者「ドイツ語かイタリア語は、話せるか?」 また質問してきやがった!
オイラ「出来ない
若者「それじゃーダメだ。
いったいなんなんだ! 結局後方にも空いている席は無く、しょうがないので、なるべく空いてそうな車両に立っていようと思い、またもと来た方向へ。 当然また奴らの前を通る事になった。
若者「水をくれ
右手にペットボトルを持っていたんだ。 しょうがなくくれてやった。 なんかこっちもムカついていたのでボトルを返してもらうと、「バーイ」と言ってその場を立ち去った。 とりあえず、すいている車両に乗り込み荷物を網棚に上げようとしていると、4人組のリーダーがやってきた。「こっちに席が空いているけど来ないか?」  なんだよ席があるなら最初から言えよ!! 付いて行って見ると、4人掛けのシートに4人座っている。 こいつらーーー! と思ったその時一人が席を立って「ここへ座れ。オレは、こっちに座るから」と言い、座席の肘掛に腰掛けた。 最初は、下ネタから入り、日本の歌が聞きたいと言うので「上を向いて歩こう」を歌ってやった。 NZのナイトクラブで流行っていた題名は知らないけど「シャラララッ パンパンパン(手拍子)」てな感じの歌を5人で大合唱!うち等のボックスだけパーティーで、本当は禁煙なんだけど、4人(奴らの内の一人は、禁煙中)でタバコをふかすわ、唾は、吐くわで周りからはからは、白い目で見られていた事は、間違いない。でも昔に戻ったみたいで楽しかった。
この国では、英語さえ出来れば何でも出来る」 リーダーが言った。 そうだったんだ。奴らはとてもハングリーだったんだ。英語が出来る奴を隣に座らせれば、電車に乗っている間中英語の勉強が出来る。だから英語のなるべく出来る人間に席を譲りたかったんだ。 これが、この国の現実。 金持ちの子供は、小さな頃から英語を学ぶ。 でもそうでない子供には、学ぶ機会が与えられる事は無い。彼らは、自分達の置かれた立場から一生懸命這い上がろうとしているんだ。 英語さえ出来れば・・・・。
オイラには、そんなハングリー精神は、持っていない。日本に生まれたからだろうか? 家庭環境のせいかな? ハングリー精神が無い事を親に、それと日本に感謝すべきなのだろうか? この4人は、とても気持のいい連中だった。 少し元気を貰ったような気がする。
ヌアラエリアと言うのは、お茶の産地だ。 セイロンティーって有名だけど、昔スリランカはセイロンと言う名の国だった。 ここで作られるお茶こそ、そのセイロンティーだ。 ボッタくられながらも(でもR650をR350までまけさせた。)お茶の工場見学に行って来た。 高級茶葉は、全て外国に輸出して、クズをスリランカ人が飲むそうだ。 これっておかしくないか? でもこれも現実なのだろう・・・。



4人組

お茶工場

お茶工場

茶畑



コロンボ


エアランカ(スリランカ航空)のオフィスにリコンファームをするため向かう途中若い男に声を掛けられた。「この道は、現在通行禁止だ。何処に行くんだ?」 コロンボの中心は、確か危険地域になっていて、テロに対して警戒を強化しているから進入禁止なのかな?何かで読んだ事があったので納得してしまった。エアランカのオフィスに行きたい旨を言うと、「オフィスは、駅の裏に移転したぞ!途中までついていってやる。」 こいつ怪しいと思いながらもついていった。 奴は、IBMに勤めていて明日からカナダ出張だそうだ。「自分は、リッチだから君から金を取る事はしない」 こんな事言われても安心なんて出来ない。
「エアランカに行くには、歩いて45分かかる。トゥクトゥクで行くのがベストだ」 と言い始めた。 ウソだろ!さっき駅の裏と言ったじゃないか! 「それじゃいい。TELでリコンファームするから」と言うと、「今爆弾テロの影響で、TELでは、リコンファーム出来ない。」と言いくるめられトゥクトゥクに乗り込んだ。エアランカのオフィスに着き手続きをしようとしたのだが、片道航空券では、出国出来ないと言われ、「やっちまったー!」と思った。 自分は、タイから往復券でスリランカ入りしたのだが、片道は、タイ→スリランカで使ってしまっている。 残りのスリランカ→タイを持っているが片道チケットと言う扱いになってしまう訳だ。どうすりゃいいんだ?必死にタイからの往復買ってスリランカに来たんだからもう片道しか残ってないのは当然の事だと説明しても、答えはNO! しょうがなくタイビザを取る事になった。 トゥクトゥクで、タイ大使館に向かうがエアランカで教えてもらった住所には、タイ大使館は存在していない。 連れのスリランカ人が必死に人に聞いたりして探してくれるが、見つからない。 それもそのはず。大使館は、移転したとの事だった。航空会社がそれを把握していないなんてどういうことなんだ? 今度は、奴の知り合いの旅行代理店に行き、大使館の住所を調べてもらった。 代理店の中は、薄暗く強面のオヤジ一人で経営しているらしい。 顔は恐いが、結構親切で、タイビザ申請用紙を書いてくれた。 で、無事大使館に着いたんだけど、もう既に閉館だ。 明日また来なくてはいけなくなった。 コロンボ中心付近に着いて、奴がここで降りようと言い出す。 「なんで宿まで行かないんだ」と聞くと渋滞が激しいからだそうだ。 トゥクトゥク代金を請求されてぶったまげた!R6000(6000円) 4時間チャーターしただけだ。 でもとりあえず払った。自分が甘かったと思ったからだ。詐欺と分かっていてついていったんだからここまでは、しょうがない。 でも次の一言で、温和な自分もキレタ。 
奴は、「ここまで付き合ったんだから$20(R2000)よこせ」と言う。
オイラ「最初に金なんて要らないと言っただろ!それにオマエがトゥクトゥクがベストだと言うからR6000取られたんじゃないか!空港からのタクシーだってR1200だ。
奴「タクシーは、軽油だ。 でもトゥクトゥクは、ガソリンだから高いんだ。
オイラ「じゃー何故トゥクトゥクがベストだと言った! お前に払う金なんて一銭も無い!」 大勢の人だかりの中、数分間奴に怒鳴り散らす。 奴も、あまり人には聞かれたくなかったみたいで観念した。 オイラの勝ちだ。 でも最後に奴は、「ここまで親切にしてやったんだ。 オマエに誠意があるなら見せてくれ」。 今度は、泣き落としか・・・。 しょうがなくバス代R100やった。奴は、少なすぎるとごねたが「これがオレの誠意だ」と言ってやった。 
翌日、タイ大使館に行かなければならなかったんだけど、行かなかった。場所が分からないしなにより、もうトゥクトゥクは信じられない。 どうせ、タイに一度戻りその後エジプトに行くわけだから、ここからエジプトに向かっても別にいいじゃないか。 そうだ、エジプトに行こう!



ヒッカドゥワ 


ヒッカドゥワまでは、鉄道を使った。 ここでは、青い海とヤシの木。サンゴ礁のリゾートを満喫する白人。それを想像していたのに、想像とは全く違った。 本来のヒッカドゥワは、白人のリゾート地なのだが、一ヶ月前の爆弾テロ以降旅行者が全く来ない。 自分が泊まった中級リゾートホテルには、自分一人しか客がいないありさまだ。
いったいこの国は、どうなっているんだ? オイラに近付いてくるのは、バカばっか! 駅で、電車を待っていれば、40代のオヤジにたった20分間世間話をしただけなのに、「日本に行くには、どうすれば良いんだ?」と唐突に聞かれ、「日本で、働きたいんだ。 保証人になってくれ!」と言い出すしまつ。 多分、スリランカ人がワークビザを取得する際に保証人が必要なのだろう。 今日会ってまだ20分しか経っていないのに保証人になんてなれるはずないじゃん。 
薬局でトイレットペーパーを買った時も、店員に「日本に行くから住所教えてくれ!」ってなんでそうなるんだ!買い物しただけだろ! 
駅のベンチで座っていると、耳の不自由な老人(自称)が隣に座り、障害者施設建設の為の署名をしてくれと言う。 ノートが出され、結構な人数の署名がされている。 なので署名をした。 するとその老人がノートの端っこを隠していた腕をどけてビックリ! 寄付した金額が書いてある。 「オマエは幾らと記入するんだ?」だって。 すごいトリッキーな技を使う。署名した手前、寄付金の欄を埋めなくては・・・。 たいていの人は、R500〜R1000位寄付しているのでR20(20円)と書いてやった。 するといきなり逆切れ。「周りを見ろ!みんなR500寄付してるんだぞ!オマエももっと払え!」 もちろんこっちも怒鳴り返してやった。

絶えずスリランカでは、こんなやり取りが続く。 ヒッカドゥワも例外では、無かった。いや、それ以上だ。 町を歩けば、10m毎に声を掛けられる。
ボート乗らないか?」(どうせボッタクリだ) 
君と話がしたい」(最後には金の話になる) 
Do Yuo Like ハッパ?」(空港からのタクシードライバーに聞いた話だが、ビーチにいる連中からマリファナを買うと、何処からともなく警官が現れる。そこで逮捕されたくなければ金払え!とワイロを請求される。警官とグルかもしくは、偽警官だ。)  
これらの誘いを全て断らなければいけないので道を歩くのも疲れる。 ヒッカドゥワは、南国パラダイスと言う感じの場所だが、決してくつろぐ事が出来なかった。 でも嬉しかったのは、食事だ。 スリランカでは、いつもカレーとかカレー風味の何かを食べていたんだけど、これが辛い! しかもコクのある辛さではないのでヒリヒリする。 主食がカレーの国なので食堂に入れば、カレーの類を注文するしかない。ある時、店先にパンが並んでいたのでハイテンションになった。 久しぶりにカレー以外の物が食える。店員にパンの中身を聞くと「これは、エッグ。こっちは、ポーク。これは、チキン。」と言うじゃないか。喜んで3つ買い、宿に戻って早速食べた。悲しい事にパンの具は、エッグカレーにポークカレー、チキンカレー。全部カレーパンじゃないか!
でもここヒッカドゥワは、白人リゾートと言うことで洋食レストランが何件かある。 久しぶりにピザを食べた。 


ヒッカドゥワ



ニゴンボ


クソみたいなヒッカドゥワを後にしニゴンボへ向かう。 どーせニゴンボも大して変わらないだろうけど、ヒッカドゥワよりは、マシな事を期待していた。 ニゴンボバスターミナルから市バスに乗り換えてホテルへ向かう事にした。 スリランカではバスに乗るのも一苦労だ。 何故なら、バス正面に書かれている行き先表示がシンハラ文字といってイスラム圏の様なグニャグニャっとした文字の為、何が書かれているのか分からない。 市バスならまだいい。 シンハラ文字の下に公用数字で番号が書かれている為、「何処何処に行きたい」と言えば、何番のバスと教えてくれる。 でも長距離バスになると表示が、シンハラ文字のみ。 バスステーションに行き、「何処何処に行きたい」と言うと、「あっちのバスだ」と言われ、指差された方に行き、そこら辺にいるバスの運ちゃんに「何処何処に行きたい」聞く。すると運ちゃんが「あっちだ」と答える。 それを5回位繰り返してやっとお目当てのバスに乗れる。 今回は、市バスなので簡単だった。 バスに乗り込むと、運転手に「ここのホテルに行きたいんだ」と言うと、分からないようだ。 でも近くにいた女性がこのホテルなら知っていると言われ、バスの運ちゃんに何処何処で止めるように言ってくれた。 久しぶりに親切な人に出会った。 ホテル(と言っても一泊1000円。でもプール付き)に着くと先ず目の前のビーチに向かった。どーせバカが沢山寄って来るんだと思いきや、オイラになんか目もくれやしない。 みんな思い思いに自分達で楽しんでいる。 大きな夕日が海に沈もうとしている。家族でくつろぐ者、友達と語り合う者、 ドッジボールをする若者達、波打ち際で波とたわむれる子供達がその真っ赤な夕日に浮かび上がる。ここは、天国なのか?と誰かに聞きたくなる。 もちろん金目当てでオイラに近付く者など誰一人いない。オイラが思い描いていたスリランカがそこには、あった。 これぞスリランカ。



(注)上記で、スリランカってとんでもない国だ!と思われた人もいると思うからちょっと付け加えておくと、自分がスリランカを旅行したのは、2001年9月で、この一ヶ月前の8月にスリランカ空港爆弾テロ事件が起き、滑走路等が爆破される事件が起こった。その為観光客がまったく来ないという状況になりその中での旅行だった為、外国人をカモにしている連中が自分に集中してしまった。 なので、現在のスリランカがどうなっているのかは、分からない。