ハンガリー
ルーマニア−ハンガリーのボーダーでちょっとした事件が起きた。もちろん、ルーマニア側でだ。
向かい側の席に座っていた兄さんが、バイオリンを持っていたんだけど、検察官に「このバイオリンは、ストラディバリだな!」との疑いをかけられた。 もちろんそんな高価なバイオリンではない。 第一、何億円のバイオリンを持っている人間が、二等車なんかに乗らない。 兄さんは、ちゃんとそのバイオリンの価値を示す証明書みたいな物を持っていた。 そしてそれを検察官に見せるが、「いいや、これは、ストラディバリだ。間違いない!」 の一点張り。 最初は、兄さんも笑顔だったが、ここまでくると笑えない。 しょうがなく検察官にワイロを払う羽目になった。 メチャクチャな言いがかりだけど、ワイロを払わなければハンガリーには、いけない。 役人が腐っていると、こういうメチャクチャな言いがかりでも通ってしまう。 あらためて日本っていい国っだなと感じた。
で、何故ストラディバリを持っていたら、出国出来ないかは、わからない。 多分、高価な物なのでそれなりの関税がかかると言う事なのか、もしくは、芸術品を持ち出すには、それなりの手続きが必要なのかもしれない。
自分も、何故か、パスポートを取られ、車両の窓側に立たされた。 そして、何故か判らないが、検察官が、車両の外から、パスポートと窓側に立せたオイラをじっくり見比べる。 この時ヤバイなと思った。 別人だとかなんとかイチャモンを付けられるのではと思った。数分間ずっとそんな事をやっている。 でも幸いケチのつけ様が無いと判断されたのか、外でオイラを観察していた検察官が、窓の隙間からパスポートを返してくれた。 絶対嫌がらせだ!
ハンガリー側(入国)の検察官は、打って変ってフレンドリーだ。 ストラディの兄さんに、「オイオイこれが噂のストラディバリか?」と言ってからかっていた。
首都ブタベストに到着すると、ストラディ兄さんが家がこっちの方だからと言って今日泊まる予定の安宿の近くまで一緒に来てくれた。
で、本日泊まる宿は、 有名な日本人宿「ヘレナ」だ。 しかし、建物内に入るドアロックが開かない。しょうがなく向かい側にあった「マルコポーロ」というYHに止まる事にした。
次の日、無事ヘレナに入ることが出来た。 しかし、あいにくの満室。 すると、このアパートには、もう一つ日本人宿があり、そこを紹介してもらった。 ここも満室なのでベッドは、無かったけど、床にマットを敷いて寝る事になった。なんてラッキーなんだ! 本当は、Ft(フォリント)1500(約700円)の所が、床マットと言う事で、Ft800にしてくれた。 ここは、普通のアパートメントの一室なので、キッチンも完備。 なので自炊する事も出来て、居心地が良く、沈没(長期滞在) するものも結構いるみたいだ。
着いて早々に旧市街をぶらつきに行った。 そこには、観光客用に地下道があり、まるで、ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」の世界だ。 地下道をずっと歩いていくと、階段があり、その上には、勇者の剣が刺さっている。 オーラスは、ワインの噴水! ちょっと舐めてみたけど酸化してしまって、酸っぱかった。 ちょっとバカっぽかったけどそれなりに楽しむ事が出来た。
夜は、泊り客で「大貧民大会」 酒が入っていたので、かなり盛り上がった。
ところで、ここハンガリーは、フォアグラ発祥の地・・・らしい。
なので、みんなでフォアグラを食いに行った。 日本では、高級料理だけど、発祥の地と言う事で、ここでは、家庭料理なのだろう。 フォアグラのステーキがなんと¥600だ。 でも味も、日本で食べた高級料理とは違い、こってりした鳥のレバーって感じ。 ちょっとがっかりだったけど、グヤーシュと言うスープがとても美味しかった。 肉をたっぷりと鍋にぶっこみ長時間煮てパプリカで味を調える濃厚なスープ。 これが食えただけでもこのレストランにきたかいがあった。
レストランの後は、みんなで、古着屋に行った。 貧乏旅行者なので、みんなろくな物着ていない。
段々と寒い季節になってきたので皮のパンツを買う事にした。 ルーマニアの項でも書いたけど、カーゴパンツの膝に穴が開いているんだ。 最近北上するにつれて寒さに耐えられなくなってきた。 値段も手ごろだし丁度良かったんだ。
夜は、バレー(モダン)見学。
ここの劇場は、素晴らしい。 石造りの重みのある建物で、多分何百年と言う歴史があるのだろう。 中は、外装とは、うって変わってきらびやか。 柱やシャンデリア、至るところに装飾が施され、天井には、フレスコ画。 ボックス席もありとても優雅な劇場。 こんな素晴らしい所、入るだけでも金取られるんじゃないかと思わせるほど素晴らしく、優雅な気分にさせられる。 でも、しかし、オイラ達の格好といったら、Tシャツ切れてたり、サンダル履きだったり、周りからはかなり浮いていた。 ちなみにズボンに穴が開いていたオイラでさえこの中じゃー一番の正装だ。 ちなみに立見席の次に安い席だったんだけど、周りは、みんなスーツ姿。
自分は、日本に帰国してから、国立劇場で、オペラを見たんだ。 劇場はすごいよ。 音響の事を徹底して追及している為に天井や壁が波打っているんだ。また無駄を省く為に、ボックス席や、きらびやかな装飾は一切無い。 これは、オペラを見る限りでは最高の設備なんだろうと思う。 一切の無駄が無い。
でもね、ちょっと思ったんだけど、無駄ってホントは大切な事なんだよね。 劇場で言えば、確かに日本の劇場は、一切の無駄を省き、素晴らしいコンディションで劇を楽しませてくれるだろう。 でもハンガリーの劇場に比べると、味気なさを感じる。一方劇を見る上では、関係の無い豪華さを施したハンガリーの劇場は心を豊かにしてくれる。 回り道をすると、目的地には、直線的に行くより遅くなるけど、回った分、より多くの面白いものを見つけられる。 オイラ、は、人生回り道ばかりなので、そう信じたい。
そして、今晩もみんなで「大貧民」大会。
でも今回は、盛り上がり過ぎて、警察から宿に電話が入った。 近所迷惑になっていたらしい。