エジプト
有名な日本人宿・サファリホテルに宿を取る。 ここの宿の情報量は、すごいもので、情報ノートは、世界中の情報が詰まっている。 特にこれからアフリカに行く人は、この安宿に泊まる事をお勧めする。
夕飯は、シェア飯でみんなで金を少しずつ出し合い、食事を作る者と後片付けをする者に分かれる。もちろん食事は一緒に。 アットホームな宿である。 その為か、長期滞在者も多い。
カイロ
「カイロの紫のバラ」って言う古い映画があるんだ。映画の中の主人公が、突然、スクリーンの外に出てきてしまって、恋をすると言う恋愛映画だ。 でもこのカイロとロマンスとはどうやっても結びつかないように思える。とにかく賑やかな町で、絶えず車のクラクションが鳴り響く。イスラム圏だけど酒が堂々と売られているところを見ると、それ程イスラム色は、強くないのかな・・・。町にコーランが朝っぱらから鳴り響く事も無かったしね。
また、エジプトでは、バクシーシと言う制度がある。これは、裕福な者が、困っている類に恵みを施すという制度だ。 食べるのに困っていれば、隣人が分け与えるし、またその隣人が困っている時には、お返しをする。すごく暖かくてまるで昔の下町って感じがする。 でもその制度を逆手に取る者もいる。変に観光客慣れしてしまった者が外国人に「バクシーシ!バクシーシ!」といって小銭をせびる。 確かに旅行している者は、小銭をせびっている人間よりも裕福なのだろうとは思うけど・・・。
さてさて、今日は、エジプト博物館に足をはこんだ。 ここは、今まで行った博物館とは、一味違う。 だってちょっと考えてみてよ。TVとかでよくエジプトの特集とか、ピラミッドの謎とか、ツタンカーメンがどうのとかやってるでしょ? 沢山の遺跡に、黄金のマスク、ミイラ.etc。 TVでこれだけ特集と組む程エキゾチックな場所で、しかも、その国の国立博物館だ。 それは、すごいに決まっている。 展示の量もすごいし内容も素晴らしい。 ミイラも幾つも展示してあるし、レリーフの数々。でもやはり目を惹いたのがツタンカーメン王の黄金のマスク。 暗い展示室に、その黄金のマスクがスポットライトをあてられている。金色の輝きがより強調され美しいし芸術的だし、数分間見とれてしまった。 カメラ持って来てたら良かったのに・・・。 あとピラミッドのテッペンの化粧石とかも展示してあり、石には何やら文字が彫られていて、そんな事実は普通に生きていれば知る事は無いでしょ?・・・多分。
なんか今自分はすごいものを見ているんだなと肌で感じてしまった。
ギザ
ギザのピラミッドに行こうとバスを待っていた。 カイロから市バスで行ける距離にピラミッドは、あるんだ。バスで数十分って所。
自分は、357のバスでピラミッドまで行こうと思っていた。 すると突然オヤジに声を掛けられた。
「ピラミッドまで行くのか? そのバスでは、ピラミッドの5km手前までしか行かないぞ!997のバスがベストだ。自分もギザに住んでいて今帰るところだから一緒に行こう。」 絶対あやしい。 スリランカ以来、オイラは詐欺師なんてすぐに見分ける自身があった。 何の詐欺かは分からないが、詐欺師と知っていてこのオヤジと一緒に行く事にした。 今回は、タクシーじゃなくて市バスだ。 大変な事にはならないと思うし、何より、声かけてくる人間を全て無視していれば、詐欺には会わないかもしれないけど、つまらない旅になってしまう。 この時は、絶対にカモられない自信も自分には有った。 それ程スリランカでモマレタって事。
バスに乗り少しすると、ヒルトンホテルが見えてくる。 オヤジがヒルトンを指さし、「自分はヒルトンに勤めている。なので金は沢山持っている。 日本人の友達も2人いる」 と言い出した。
やっぱり、こいつは詐欺師だ。 スリランカで作った詐欺師三か条に見事に3つ当てはまる。 いったい何詐欺なんだろう?
20分位経ち、オヤジが手書きの絵地図を広げた。 その絵には、ピラミッドが幾つかとラクダが書いてある。
「ラクダに乗らないか?安いしピラミッドを周ろうと思ったらとんでもない距離になる。 ラクダで周った方が良い。」 こいつラクダ詐欺だ。 多分ラクダ使いと組んで、最後に法外な金額を請求してくるんだろう。 手口まで丸見えだ。
「オイラは、ラクダが嫌いなんだ。だから乗らない。」 こう言ってやった。
すると奴は、「ロバもいるんだ。ロバにしろ」と言ってくる。
「ラクダもロバも嫌いだ!自分は、クフ王のピラミッドさえ見れれば良いんだ。歩いていく!」
これで、また言い合いになった。 例のごとく自分は、怒鳴っているので周りには丸聞こえ。 この方法が一番良いと自分は、知っている。 ついにラクダ詐欺を諦めたオヤジが、今度は、方向転換して来た。
「自分には小さな子供が3人もいるんだ。金をくれ!」
泣き落としと言うか、バクシーシ方向で攻めてきやがった。
「さっき、ヒルトンホテルに勤めていて、金なら沢山持っていると言ったじゃないか!」と言ってやった。すると信じられないような捨て台詞を吐いてバスを降りていった。
「ガウォー!!」
おいおい「ガオー!」って?? 今時の子供でもこんな事言わない。 言っていいのは、小学校低学年までだ。 でも奴は本当にガオーとオイラに向かって唸りを聞かせてからバスを降りていった。 ピラミッドの近くに住んでいるんじゃなかったのか? 多分またカモになりそうな外国人を探しに行くんだ。
少し不安になり他の客に聞いてみた。 本当にこのバスはピラミッドに行くのだろうか?と。 エジプトでは、あまり英語は、通じない。 でも幸いさっきのオヤジの残していった手書きのピラミッドの絵がある。 これを出して他の客に聞いてみると確かに、ピラミッドまで行くそうだ。
ある角を曲がると、町のバックに太陽を背にした真っ黒なピラミッドが浮かび上がる。 なんじゃこりゃー! スゲー幻想的な景色だ。 ここから見たピラミッドが一番ショッキングだった。
ピラミッドを見ていると、他の乗客がここで降りろと言う。まだ少しピラミッドへは距離があるのに・・・。 バスを降りると、ピラミッドとは違う方向にバスは曲がっていった。 少し距離はあるが、荷物も無いし、大した事はない。
入場料を払い ピラミッドへGO!
一日に2度だけピラミッドの中部に入れる事が出来るのだが、あいにく既に終了していた。 なのでピラミッドの内部に入る入り口までせめて言ってみようと思い高さ1.5m程の石段を何段もよじ登っていく。 入り口に着き写真を撮っていると、入り口前に立っている警備員に写真を撮ってやると言われのでカメラを渡し撮って貰う事にした。 2枚程写真を撮ってもらい、カメラを返してもらうと、警備員が親指と中指をこすり合わせる。 これは、金をくれと言う合図だ。
「NO! 写真2枚撮ってもらっただけじゃないか!」と言うと、奴は、無言で肩に掛けている機関銃をオイラに向けた! そして、もう一度指を擦って見せた。 すごい状況に立たされたものだ。 これじゃまるで強盗じゃないか! しかもその機関銃は、オイラをビビらせるのに十分過ぎる品物だ。
もう一度「NO!」と言って機関銃を向ける男に背を向け歩き始めた。 もちろんかなりビビッテはいるがマサカ撃たれる事は無いないだろう・・・?
次に声を掛けてきたのは、中学生くらいの少年だった。「ちょっとこっちに来い。いい物を見せてやる!」 着いていってみた。 するとブロック塀の影にラクダが休んでいる。 「これに乗らないか? 」
「NO!」 すると写真を撮ってやると言うので撮って貰うと、コイツも指を擦り合わせて金を請求してきやがった! もちろんカメラを返してもらいシカトで歩き始めた。 するとまだ奴が追いかけてくる。 「このビーズをやる」と言われ、トウモロコシの粒の形をしたビーズを貰った。 その後で少年からターバンを巻いてもらい、またもやラクダの前で写真撮影。 もちろん写真撮ってもらう前に無料か?と確認しておいた。
写真を撮り終わり、お礼を言って立ち去ろうとすると、少年が「金ちょうだい!」 コイツバカなのか? 「さっき、ノーマネーと言っただろ!」と怒鳴ると、 少年曰く「さっきあげたビーズがタダなんだ」 だって。
ちょっと笑っちゃったけど、もちろん無視して歩き出す。 少年が自分の後をついてくる。 途中に、警備員がいて、少年は、警備員に「カモれたか?」とジェスチャーで聞かれる。 少年はダメだったと答える。 ピラミッドは、終始こんなやりとりが繰り広げられる。警備員すら旅行者の金を狙っている。 座ってピラミッドを見ながら黄昏ようものならラクダ使いにすぐに囲まれる。
ラクダ使いに「俺の事写真に撮ってくれよ!」と言われたので撮ってやった。 すると、「金よこせ!」となる。シカトして立ち去る。 その繰り返しだ。 こっちは写真撮ってくれと言うから撮ってやったのになんで金払わなきゃならないんだ? メチャクチャな世界だ。 これが文化の違いと言うやつなんだろう。 でもツアーでくる旅行者の大半が金をせびられて払ってしまっているんだろう。だからこんだけたかってくるんだ。もちろんピラミッドで一銭も払わなかったけど、全然落ち着いてピラミッド見る事が出来なかった。 バスの中からみたピラミッドが一番美しかったと思った。
ルクソール
王家の谷を見ようとスクソールを目指した。 電車移動だが、外国人旅行者は一等車のチケットしか買う事が出来ない。 ちょっと理不尽な話だ。 この列車は、コンパートメントになっていて、6人掛けの向かい合った席が一室になっている。 中国女3人組とオイラの4人でそのコンパートメントを占領していたんだが(もちろん指定席だ)。そこへ夜中になってエジプト人のオヤジが入ってきた。 そして、車掌が回ってくるとチケットを見せて、そこに金を上乗せしていたから多分、2等乗車券で乗車してから1等車に目的の物があったので追加料金を払って1等車に変えたんだと思った。 つまり奴は睡眠薬強盗だ。 寝込みに睡眠スプレーを掛けてくるタイプの・・・。
中国娘3人組は、オヤジから毛布を貸してもらいスヤスヤと眠っている。 コイツラ緊張感と言う物が無いのか? オヤジの親切作戦にまんまと乗せられている。 オイラは、と言うと、すごく眠いにもかかわらず起きている。 彼女達の為にも自分が寝たら終わりだ!眠気もMAXに達すると、時々堕ちてしまうので帽子を深くかぶった。こうすれば少しオチタくらいならきづかれないだろう?
何秒?もしくは何分だろうか? 少し寝てしまったようだ。 目を開けるとオヤジがオイラの前に立っていた。ビックリしたが、オヤジも同じくビックリしたのだろう。 すぐに向きを変えて窓を見た。 そして直ぐに駅に到着したのでその駅で降りて行った。
夜も開けルクソールに着くと中国娘に別れを言いコンパートメントを後にした。 駅はすごい混雑で、最初駅が空いてなくて、出られないのかと思ったが、数年前の爆弾テロの影響で、ルクソールに降りる全員に対してボディーチェックをやっているんだ。 そう言えば、カイロでマクドナルドに入ろうとして、機関銃持ってるお姉さん(警察官)にボディーチェックされたっけ。 マックに入りたかっただけなのに・・・。
ルクソールでは、サファリホテルで聞いておいた宿に泊まることにする。 例のごとく、駅を降りると客引きのしつこい攻撃に耐えなければならない。 自分が何処何処のゲストハウスに泊まるからいいと断ると、平気な顔をして「そのゲストハウスは、今は無いぞ!」 と言って来る。 こんなのは、馴れっこなので、無視して目的のゲストハウスに向かう。 もちろんつぶれてはいなかった。この宿には、日本人の女性がいてなんとこの宿のスタッフと国際結婚したのだそうだ。 彼女は一生ここで暮らすのだろうか? 自分なら耐えられないと思う。 彼女に幸あれ!
今日は、まずルクソール神殿を見学してきた。 全て石造りでレリーフが彫られていたり、エジプト文字が書かれていたりまたもやすごい物を見せてもらった。 帰り際に警備員が近付いてきて、勝手に神殿の説明をし始める。 また金か? と思ったら、案の定請求された。 もちろん払わずに歩き始める。 もーこの国はマジ疲れるわ! 頼むから、君達の国のすごい物をゆっくり見せてくれ!
今日は、王家の谷! タクシーで周った方がいいと言われたが、みんなの静止を振り切りチャリンコで周る事にした。 王家の谷って言うぐらいだから、谷に行くには、まず山を登らなければいけない。気温も推定40度。距離にして片道20km!もーこれは、観光などでは無い。チャレンジだ。 いつしか趣旨が変わっていた。汗だくになりながらチャリンコで山を登る。 道の脇で少し休憩を取っているとタクシーの運ちゃんに声を掛けられた。 「乗ってけ!10ポンドでいいから。 この坂を登るのは、大変だ。登った後は下りだから、また帰りも登らなければならないぞ!」 そうだ、帰りもまた登らなきゃいけないんだ・・・。 でもこれはオイラのチャレンジだ。誰もオイラを止められないぜ!!
「チャリで行くからいい!」と断ると、
「5ポンドにしてやる!」といきなり半額。
「おれは、チャリが好きなんだ!」と言い切る(なんのこっちゃ?)と運ちゃんも諦めたのか走り出す・・・・といきなり停車。 バックで戻ってくる。 「3ポンドにしてやる」
「やだ」
またオイラのチャレンジが始まった。 この暑さを除けば、チャリは最高かもしれない。 周りは切り立った崖でダイナミックな風景が続く。 暑ささえなければ・・・。 ちなみにエジプトの中でルクソールが一番暑いそうだ。
王家の谷の入り口に着くと警備員達の歓迎を受けた。 どうやらここまでチャリで来た日本人がめずらしかったようだ。 墓自体は、崖に穴が掘られた物で大した様には見えなかった。 でも一度中に入ると一変する。 レリーフがすごいんだ。 TVとかで見た事のあるエジプシャンの絵がそこに彫られているんだ。またまた感動!中の暑さも忘れて大フェィーバー! だって生で見られたんだよ! 自分じゃなくてもテンション上がる。 有名な王様の墓はすごいんだ。 ラムセス十何世とかね。 でもマイナーどころは、結構しょぼかった。
この頃になって、やっとエジプトにもう少し居たいと思えるようになってきた。ちょとウザイところもあるけどエジプト人はフレンドリーで楽しい。 でも今日ルクソールを発たなければ・・・。もうアテネ行きの航空券は、買ってあるからだ。
陸路でヨルダン→シリア→トルコと行きたかったんだけど、このルートを通るとアメリカ入国の際に入国審査で2時間も調べられると聞いた事があった。日本赤軍の疑いを掛けられるそうだ。 しかも今は、9・11のテロ直後だ。アメリカに入国できない可能性も考えなければいけない。
国を周っていると結構色々なルールがあるもので、南アフリカのスタンプがパスポートにあると、周辺国で敬遠されるとか、イスラエルのスタンプは、パスポートでは、無く別紙に押してもらわないと、周辺国に入国できないとかね。
アメリカ入国出来ないと、地球一周が成立しないので、今回は、ギリシャに飛ぶ事にした。
夜、電車の時間に合わせて宿を出ると、2泊分の金を請求された。 実際に泊まったのは、一泊で、それに加えて夜まで部屋で休んだわけだから、別に何も言われてなければ快く払ったさ。 でも昨日スタッフの日本人女性と飲んだ時に、明日ここを離れるけど部屋を引き払い荷物だけどこかに置かせてもらいたいと頼んだ所、「部屋をそのまま使ってていいわよ。 料金取らないから」 と言ってくれたので遠慮なく使わせてもらっていたんだ。 で、今はその女性が居ない。 女性の旦那と三人で飲んでいたので当然今日の料金を貰わない旨を知っていると思い、旦那にも「一泊分で良いはずだよね」と聞いたが答えはNO! 初めから二泊分貰うと言ってくれてれば、こんな気持にならないで済んだのに、すごくいやな気分にさせられた。